奨学金が返せなくなったら？
大学に進学する際、奨学金を利用する人は多いでしょう。
しかし、近年では就職しても奨学金を返済できずに困る人が多いです。
今回は奨学金について説明していきますので、正しく理解しましょう。
◆独立行政法人日本学生支援機構（以下JASSO）
まず、一口に奨学金といってもさまざまな形態があります。
今回ご紹介するものは、独立行政法人日本学生支援機構（以下JASSO）が運営する奨学金についてです。
こちらは返済義務があり、返済を怠ると延滞金の発生や裁判沙汰なんてこともあります
◆奨学金の仕組み
リレー口座という仕組みになっています。
大学を卒業した人達が返済したお金を現在学校に通っている学生に貸しています。
不足分が出るので、そちらは国から借り入れています。
そのため、一般的な教育ローンと比べて奨学金の返済利子率は低いです。
それでも、お金がない学生にとってはこの利子はかなり苦しいものになります。
◆返済開始日は？
奨学金の返済は貸与期間終了の翌月から数えて7か月目の27日となっています。
2017年3月に卒業した場合、2017年10月から講座振替にて返済が開始されます。
3月に卒業し、4月にはちゃんと会社に入社していないといけないわけですね！
口座の登録をしなかった場合なども、延滞とされてしまいます
大学などの教育機関で開かれる返済説明会には必ず出席し、 返済の口座登録用紙を取得し手続きをしてください！
◆一度返済ができなかったら…
口座の残高不足などで奨学金の返済ができなかった場合、翌月に2か月合算で振替になります。
この時にまた振替ができなければ、また翌月に3か月分合算で振替になります。
まあ、この時点までは安心ですね。
しかし、3回連続で振替できなければJASSOが委託する債権回収会社より通告と督促の連絡がきてしまいます！
気をつけましょう
◆就職できなければどうするの？
今のご時世、大学を卒業すれば誰でも就職できるわけではありません。
就職できずに、奨学金が返済できない場合も出てくるでしょう。
就職しても、なかなか返せない人もいます。
心配になるかもしれませんが、JASSOには返還猶予システムというものが存在します。
◆返還猶予とは？
猶予申請が承認されれば、その期間に限り返還義務がなく督促もされません。
1年間の猶予希望が承認されれば、返還完了予定が1年分先延ばしにされるといった具合です！
ただし、あくまでも猶予であり免除ではありません。
返還義務が未来永劫なくなるわけではありませんので、注意しましょう。
◆返還猶予の届出を出すには？
JASSOのホームページから届出をダウンロードできます。
この届出と添付書類が必要になります。
経済困難が理由なら返済該当年の所得証明書が必要になります。
その所得証明書で額面300万円以下であれば猶予制度を利用できます。
添付書類は届を出す理由によって異なりますので、よく確認しましょう。
◆返還猶予は最長何年まで？
最長は10年間とかなり長いです。
しかし、承認されなければならないので必ずしも10年間待ってもらえるというものでもありません。
また、届出は一書類一年間ときまっているので手続きも大変ですね。
◆返還猶予期間の10年目でも申請できるのか？
申請できます！
奨学金の返済途中に失業し、返済困難になった場合でも猶予申請できます。
また、2年間猶予制度を利用した後返済していたが、事情により再び返済困難に陥った場合も猶予申請はできます。
このような場合は、猶予期間最長の10年から過去2年間を引き、8年間の猶予申請が可能となります！
◆減額制度とは？
返済猶予の他に、減額制度というものもあります。
月々の返済額を下げたい時に使うものです。
例えば、毎月2万円ずつ返済しているが、収入が減りその額を返済することが困難になったとします。
それでも月1万円ずつなら返せる状況なら、減額返済制度を利用しましょう。
届出と添付書類を送り、審査に通れば月々の支払を減額してもらえます。
支払額が減る分、完済予定日は長くなります。
審査結果によって、減額で支払える期間が定められます。
その期間に応じて、返済終了が先延ばしになることを理解しておく必要があります。
◆奨学金手続きはきちんとする！
JASSO側は返済困難者を見捨てたりはしません。
しかし、猶予も減額も申請をしっかりしない人には甘くありません。
また、審査機関は長いので申請は余裕をもって行ってください。
登録情報も最新でなければ、本人確認が取れず不承認になったり審査がさらに長引くこともあります。
注意しましょう。
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